2025年以降のEVバッテリー市場動向:グローバル・欧州市場分析と主要メーカーの最新情報

1. 世界市場の動向(容量、出荷台数、収益、成長率)

2025年に入ってもグローバルなEVバッテリー市場は急成長を続けています。2024年には電動車の販売増加に伴い、世界全体のEV向けバッテリー需要が約1.0テラワット時(TWh)に達し(前年比約25%増) 。2025年上期(1~6月)には世界のEV用バッテリー搭載量が合計504.4ギガワット時(GWh)に達し、前年同期比37.3%増という高い成長率を示しました 。この力強い需要拡大により、主要バッテリーメーカー各社の出荷容量も前年を大きく上回っています。

こうした容量ベースでの急成長に対し、市場規模(収益ベース)の伸びは相対的に緩やかです。バッテリー原材料の供給過剰などによる電池価格の下落が影響しており、2024年には電池パック価格が前年比20%も低下しました 。このため、2024年の世界EVバッテリー市場の金額規模は約692億ドルと推計され、2025年には約770億ドルへと11%程度の成長が見込まれています 。長期的には電池需要の急増が続くものの、価格下落圧力もあるため、市場売上高のCAGR(年平均成長率)は今後数年で6%前後にとどまる予測もあります 。

それでも地域別に見た需要動向は活発です。2024年は中国と米国でEVバッテリー需要がそれぞれ前年比30%以上・20%増と伸びた一方、欧州連合では需要が頭打ちとなりました 。中国が依然として世界需要の約6割を占めますが、その比率は徐々に低下し、2030年には50%未満に下がる見通しです 。新興国市場の需要拡大も顕著で、東南アジアやインドなどを中心に2024年時点で世界需要の約5%(2022年の2倍)を占めるまで成長しています 。今後は欧州やその他先進国での需要比率も上昇し、市場の地理的多様化が進むと予想されています 。

グローバル市場の成長率は引き続き高水準です。SNEリサーチのデータによれば、2025年上半期の世界EVバッテリー搭載量は前年同期比+37.3%と力強い伸びを示しました 。特に中国系メーカーの台頭が目立ち、競争激化に伴う価格競争も市場拡大を後押ししています。一方で原材料価格の低迷は短期的に恩恵をもたらすものの、将来的な供給不足リスクも孕んでおり、業界はリサイクルや新技術開発にも注力しています 。

2. 欧州市場の動向(容量・出荷台数・収益・成長率)+欧州政策・規制動向

欧州市場に目を向けると、ここ数年はEV普及が進む一方でバッテリー需要の伸びは鈍化傾向にありました。2024年の欧州におけるEV向けバッテリー搭載量は約160GWh程度と推計され、前年からほぼ横ばいで推移しました 。実際、IEAによれば2024年に欧州連合のEVバッテリー需要は停滞し、中国や米国の伸びと対照的でした 。しかし2025年に入ると販売面で明るい兆しが見えています。欧州のEV販売台数は2025年初頭(1~4月)に前年同期比+24%と回復しており 、これが下期以降の電池需要押上げにつながる可能性があります。市場規模の金額面では、欧州は世界全体の2割弱を占める第2のEV市場であり 、各国政府の補助施策も相まって今後数年は堅調な需要拡大が見込まれます。

欧州市場の特徴は、現時点で供給面をアジア企業に大きく依存している点です。2024年に欧州でEVに搭載された電池容量の約75%はLGエナジーソリューション(韓国、シェア41%)、CATL(中国、22%)、Samsung SDI(韓国、12%)の3社によって供給されていました 。地場の欧州メーカーによるシェアは依然小さいものの、各国とも自前の電池生産能力拡充に向けた投資を加速しています。

3. 主要メーカー別の最新動向(市場シェア順)

世界のEVバッテリー市場は寡占が進んでおり、上位7社(CATL、BYD、LGエナジーソリューション、SK On、Samsung SDI、パナソニック、CALB)が大部分のシェアを占めています 。ここでは市場シェア順に各社の2025年以降の動向を詳述します。

CATL(寧徳時代)

中国CATLは世界首位のEVバッテリーメーカーとして圧倒的な地位を維持しています。2025年上半期もCATL単独で世界シェア37.9%を占め、2位BYDと合計すると世界の過半数(55.7%)を占有しました 。同社の1-6月の電池出荷量(搭載量)は190.9GWhに達し前年比37.9%増と、市場成長と並走する伸びを示しています 。ただし競合の追い上げによりシェアは若干低下傾向で、前年(2024年上期)の37.7%や直近1-5月の38.1%からはわずかにダウンしています 。

技術戦略面では、CATLはリチウムイオン電池の次を見据えた新製品を積極展開中です。2025年4月には業界で初めてナトリウムイオン電池の独自ブランド「Naxtra(ナクトラ)」を立ち上げ、同年12月から量産を開始すると発表しました 。Naxtra最初の製品は重量エネルギー密度175Wh/kgを達成しており、現在主流のリン酸鉄リチウム(LFP)電池に匹敵する性能です 。ナトリウムイオン電池はコスト低減や安全性向上の潜在力があり、CATLの曾毓群(ロビン・ツェン)CEOも「将来的にLFP市場の半分をナトリウムイオンが置き換える可能性がある」と期待を示しています 。またCATLは2023年に世界初の超高速充電対応セル「Shenxing(神行)」を発表しましたが、2025年にはその第2世代を投入し、わずか5分の充電で520km走行可能な次世代電池を公開しました 。この超急速充電セル「神行」は既に67以上の新車種に搭載予定であり、EVの充電時間をガソリン車の給油並みに短縮しうる技術として注目されています 。

グローバル展開にも拍車がかかっています。CATLは欧州でドイツ工場(エアフルト)に続く第2の生産拠点として、ハンガリー・デブレツェンに年産100GWh規模の巨大工場を建設中です 。総投資額は73億ユーロにのぼり、BMW・メルセデスなど欧州顧客への供給を見据えています 。このハンガリー工場建設を支えるため、CATLは2025年5月に香港株式市場での追加上場を通じ約40億ドルの資金調達を行いました 。調達資金の90%近くをデブレツェン工場建設に充てる計画で、これは2025年当時香港市場最大の株式調達となる大型案件でした 。さらにCATLは2024年末、スペインで自動車大手Stellantisとの折半出資によるLFP電池工場建設にも合意しており、投資額は最大41億ユーロに及びます 。完成すれば欧州域内でLFP電池の大量生産が可能となり、CATLにとっても欧州市場開拓の重要な足掛かりとなります。

加えてCATLは電動モビリティの新分野にも進出を試みています。2025年には自社開発の電池交換式プラットフォームを活用し、Car Inc社(中国のレンタカー大手)と提携して10万台規模の電池交換EVを配備する計画を発表しました 。航空機分野では電動旅客機向けバッテリー開発にも着手しています。もっとも2024年の業績面では、中国EV市場での価格競争激化の影響を受け利益成長が減速しました。2024年通年の純利益は前年比+15%増に留まり、この伸び率は過去6年で最も低い水準となりました 。それでもCATLは研究開発投資と大量生産で他社をリードし続けており、「トヨタやフォルクスワーゲンを凌ぐ時価総額の電池メーカー」として世界のEVエコシステムの中心に君臨しています。

BYD(比亜迪)

BYDは中国を代表するEVメーカーであると同時に、自社で電池を内製化する垂直統合モデルで急成長しているバッテリーサプライヤーです。2025年上半期、BYDのEV用電池搭載量は89.9GWhと前年同期比+58.4%もの伸びを示し、世界シェアも17.8%へ拡大して2位の座を維持しました 。前年(2024年上期)の15.4%からシェアを伸ばし、CATLに次ぐ地位を強固なものにしています 。BYDのバッテリーは主に自社製EV(乗用車・バスなど)に搭載されていますが、昨今ではトヨタをはじめ外部OEMへの供給例も出てきました。実際、トヨタの中国向けEV「bZ3」にはBYDのリン酸鉄リチウム(LFP)電池が採用されており、この他にも現地新興EVメーカーへのセル提供事例が報じられています。BYDは電池子会社FinDreamsを通じて外販ビジネスも拡大しつつあり、「自社EVのみならず他社EVにもBYD電池が載る時代」が始まりつつあります。

BYD電池の強みは、独自開発したブレードバッテリー(刀片電池)技術にあります。2020年に発表されたブレード電池はLFP系セルを細長い板状に配置する構造で、電池パックのスペース効率を50%高めるとともに、安全性と寿命を両立した画期的設計です 。LFPは安価で熱暴走に強い反面エネルギー密度で劣ると言われますが、ブレード構造によりパック全体のエネルギー密度を高め、従来の三元系(ニッケル系)電池に匹敵する実用性能を実現しています 。さらに安全性試験ではブレード電池は従来の円筒/角型セルより顕著に優れ、過充電や穿刺試験でも発煙・発火しない堅牢性を示しました 。BYDはこの技術力を背景に、電池分野でも「革命児」として台頭してきました。

最近の技術トピックとして、BYDは超高速充電や全固体電池など次世代技術にも取り組んでいます。2023年末には一部メディアで「BYDが固体電池搭載EVをテスト中」と報じられましたが、同社は正式にこれを否定しつつも固体電池研究自体は進めていると見られます 。一方、2024年には王伝福(ワン・チュアンフー)会長が「5分間の充電で470km走行可能」という新バッテリーシステムを発表し、大きな注目を集めました 。これは新型セダン「漢L」に搭載予定のもので、充電速度において世界最高水準を達成したとされています 。このようにBYDは急速充電性能や安全性で他社を凌駕すべく、第2世代ブレード電池や新素材開発に余念がありません。

グローバル展開と生産能力の面では、BYDは中国国外でのEV生産・販売を急速に拡大しています。2023年には世界EV販売台数でテスラを上回り、欧州・東南アジア・南米などへの進出を加速させました。BYDは「2030年までに自社販売の半数を海外市場にする」という野心的目標を掲げており 、それに合わせ電池生産の現地化も模索しています。欧州ではハンガリー南部の都市セゲドに年産30万台規模の乗用車工場を建設中ですが、報道によれば量産開始を当初計画の2025年末から2026年に遅らせ、初年度は数万台規模にとどめる見通しです 。人件費やエネルギーコストの高いEU圏内よりもトルコなど安価な生産拠点を重視する戦略転換で、実際トルコ西部マニサで建設中のBYD工場は2027年に年産15万台を超えるペースで稼働するとされています 。このように、EV完成車の生産ネットワーク構築と歩調を合わせ、BYDの電池部門もグローバル供給体制を整えつつあります。なおBYDは乗用車向けのみならず、中国での商用車・バス、さらには定置型蓄電システム(ESS)市場でも電池提供を拡大しており、多角的な需要に支えられ生産能力は急ピッチで増強されています。

総じてBYDは「車も電池も自前」で成長を遂げるユニークな企業であり、電池業界内での存在感も日に日に高まっています。2025年時点で世界2位の電池メーカーに上り詰めたBYDが、このままCATLとの差を詰めつつあることは市場に大きなインパクトを与えています。今後も大手OEMとの電池供給提携や、新技術投入によるさらなる性能向上を通じて、BYDは電池分野での主導権確保を狙っていくでしょう。

LGエナジーソリューション(LGES)

LGエナジーソリューション(韓国LG化学グループ)は、長年EVバッテリー市場で世界トップクラスを維持してきた韓国最大手です。2025年上半期も世界シェア3位(9.4%)につけていますが、搭載量47.2GWhは前年同期比+4.4%増と成長率が市場平均を下回り、シェアは一年前の12.3%から縮小しました 。韓国勢3社(LGES・SK On・Samsung SDI)の合計シェアも低下傾向で、世界市場における「コリアントリオ」の存在感低下が指摘されています 。そうした中、LGESは事業戦略の転換を図り、収益性とポートフォリオ多角化に注力しています。

LGESは2023年に発表した中長期計画で「5年以内に売上を2023年比2倍以上にする」との目標を掲げ、EV用電池への過度な依存から脱却しエネルギー貯蔵システム(ESS)や新モビリティ用途への展開を加速させる方針を打ち出しました 。実際、2024年以降は自動車向け以外の分野での大型案件獲得が増えており、2025年には北米で定置型蓄電池(ESS)用セル生産を前倒し開始すると発表しています 。特に需要拡大が見込まれる米国ESS市場に向け、当初計画より1年早い2025年にミシガン工場でのLFP電池量産を開始する計画です 。加えて韓国国内では水素燃料電池やUAM(空飛ぶクルマ)・船舶・ロボット向け電池など、新領域への投資も進めています 。

生産戦略・提携面では、LGESは積極的なグローバル展開と現地生産化でIRA対応や需要取り込みを図っています。北米ではGMとの合弁「Ultium Cells」をはじめ、ホンダやStellantisとの合弁工場建設を進めており、生産能力を飛躍的に拡大中です。特に米インフレ抑制法(IRA)の税額控除を追い風に、2025年Q1にはIRA関連の税控除収入約4580億ウォン(約4.5億ドル)を計上し収益に貢献しました 。しかし需要変動にも備え、LGESは投資計画の柔軟化を打ち出しています。2025年初め、アリゾナ州に新設予定だったESS電池工場の建設を一時凍結し、まずは既存ミシガン工場の遊休設備を活用する判断を下しました 。このように無駄な設備投資を抑え、まずは受注に見合った最適配置を進めるなど「守り」の戦略も見せています。

一方で大型顧客との新規ビジネスも着実に拡大しています。LGESは2025年に北米の有力自動車メーカーから新たに年間10GWh分の円筒電池(46シリーズ)受注に成功し、他にも欧州の電力会社PGEから大規模グリッド用ESS電池、米デルタ社から住宅用ESS電池4GWh分を相次いで受注しました 。また仏デルフィボルグ社と組み、EUの電池リサイクル規則に備えたフランスでのリサイクルJV設立にも踏み出しています 。これは年2万トンの使用済み電池処理能力を持つ予定で、欧州で義務化されるリサイクル率達成と貴金属回収に寄与します 。こうした動きは、LGESが単なるセル供給者から脱皮し、素材循環やソフトウェアサービスまで含めた「エネルギーソリューション企業」へ進化しようとしている姿勢の表れです。

技術開発面では、LGESは次世代電池の先陣を切るべく研究投資を拡大しています。具体的には、高ニッケルNCMやLMFP(リチウムマンガン鉄)、硫黄電池、ナトリウム電池など多様なケミストリーを開発中と公表しています 。特筆すべきは全固体電池で、2020年代後半にリチウムや黒鉛負極を使わない「アノードレス全固体電池」を実用化する計画です 。また半固体電池の量産加速や、低コストの硫黄・ナトリウム系電池開発も進め、2030年以降を見据えた製品ラインナップ拡充に努めています 。生産技術でも乾式電極プロセス導入によるコスト削減や、4680サイズ円筒セルの新設計投入などで競争力向上を図っています 。LGESは2030年までに北米No.1サプライヤーになることを掲げ 、攻めの研究開発で業界リーダーの地位固守を目指しています。

総じてLGエナジーソリューションは、直面する競争と需要変動に対応するため選択と集中を進めています。コスト削減の徹底と収益重視路線に転換する一方、新市場・新製品の開拓で成長エンジンを多様化させつつあります。2025年には四半期ベースで黒字転換を果たし 、一時落ち込んだ業績も回復基調です。韓国政府・グループ企業の後押しも受け、LGESは再びシェア拡大に向けた布石を着実に打っているといえるでしょう。

SK On

SK On(韓国SKイノベーション傘下)は、近年急速に規模を拡大している韓国第2位のバッテリーメーカーです。2025年上半期の世界シェアは約3.9%で5位につけています 。2022年にSKイノベーションから分社化した新興企業ながら、すでに韓国・中国・米国・ハンガリーに生産拠点を有し、フォードや現代自動車、フォルクスワーゲンなどを主要顧客としています。SK Onは将来の上場を見据え、巨額の資本投入で生産能力拡大に邁進してきました。2022年時点で年産88GWhだった生産能力を、2025年には少なくとも220GWhまで引き上げる計画を公表しており 、これは3年間で2.5倍もの拡大となります。

資金調達と投資: こうした積極投資を支えるため、SK Onは2023年から2025年にかけて大規模な資金調達を行いました。2023年5月には中東や米国の投資家から合計9億4400万ドルの出資を受け入れるプレIPO増資を実施し 、2024年前半までに累計約44億4千万ウォン(約44億ドル)の資金を確保しました 。さらに2025年7月には、親会社SKイノベーションが潤滑油事業(SK Enmove)との合併を決定し、SK Onの財務基盤を強化しています 。また2025年にはカタール投資庁(QIA)が12億ドル出資コンソーシアムに参加する計画も発表され、政府系ファンドからの資金調達にも成功しました 。このようにSK Onは外部資本の導入で成長資金を確保しつつ、将来のIPO時期を当初予定の2026年頃から2028年まで柔軟に後ろ倒しする方針も示しています 。

生産拠点の拡充: SK Onの拡大は北米市場で顕著です。米フォードとの合弁「ブルーオーバルSK」を通じ、米ケンタッキー州とテネシー州に計3つの工場(合計年産約129GWh)を建設中で、2025~2026年に稼働開始予定です。これらはFordのF-150ライトニングや次世代EV群に電池を供給する計画です。さらにトルコではFordおよび現地企業Kocと3社合弁で年産約30-45GWh規模の工場建設に着手しました。欧州ではハンガリー・コマーロムに2工場(計約17GWh)を既に稼働させ、2024年以降に第三工場(Iváncsa、30GWh級)が順次立ち上がる見通しです。これら欧米投資はいずれも数千億円規模で、SK Onは一挙にグローバルプレイヤーとしての地位確立を狙っています。ただ急拡大ゆえの課題もあり、利益面では現状赤字が続いているほか、一部では量産の立上げ遅延や設備投資負担が懸念されています。そうした中、SK Onは親会社からの借入保証枠を拡充し、顧客である現代・起亜からの2000億ウォン融資も取り付けるなど 、ファイナンス安定化に努めています。

技術・製品動向: SK Onは高ニッケル系(NCM9系)の電池技術に強みを持ち、FordのEVピックアップ向けにエネルギー密度の高いセルを提供してきました。また安全性強化のため、独自の「Super Fast (SF) Battery」技術で急速充電性能と安定性を両立させています。最近では次世代技術として全固体電池の研究開発にも注力しています。2024年には中国の全固体電池研究プラットフォーム(CASIP)に一部参加し、また米Solid Power社との提携で硫化物系固体電解質電池のノウハウ導入を図っています 。2025年5月には全固体電池の新たな研究成果を発表し、エネルギー密度向上や耐久性で進展があったと報じられました 。さらにBMS(バッテリー管理システム)の分野でも2025年7月に韓国初のサイバーセキュリティ認証を取得しており 、製品の安全・信頼性強化に余念がありません。

顧客基盤の拡大も見逃せません。SK Onは既存のFord・現代・起亜・VWに加え、新規顧客として2025年に米EVスタートアップのRivian社と提携、ピックアップEV向けバッテリー供給の協議に入りました(報道ベース)。また2025年3月には日産自動車との間で電池供給契約を締結し、日産の将来EVにセルを供給する計画が明らかになりました 。日産は従来AESC(中国・遠景グループ)からの調達が中心でしたが、SK Onとの協業は韓国電池の新たな販路拡大として注目されます 。この他、新興メーカーの米Slate社へも2025年に電池提供が決まるなど 、SK Onは受注先を多角化しつつあります。

総じてSK Onは「攻めの拡大期」にあり、大胆な投資と技術力で存在感を増しています。シェア上位のLGESや中国勢に比べ規模はまだ小さいものの、Fordとの緊密な協力関係や、現代・起亜という国内需要の取り込みなど強みも多く、今後の巻き返しが期待されています。ただ巨額投資の回収と利益創出が急務であり、上場までに収益基盤を如何に安定化できるかが課題となるでしょう。

Samsung SDI

Samsung SDI(韓国サムスン系列)は、ノートPCや電子機器向け電池で培った技術力を背景に、自動車用高性能電池を手掛ける韓国第3位のメーカーです。2025年上半期の世界シェアは約3.2%(8位)ですが 、欧州車メーカーとの取引では依然存在感があります。BMWやAudiのEV向けに高ニッケルNCM系の角型セルを供給しており、また北米新興のRivian社にも円筒セルを提供しています。とはいえ2024年のSamsung SDIのグローバル出荷量は29.6GWhと前年比11%減少しており、欧米顧客の生産調整の影響を受けました 。このため同社は攻めの投資で次の成長に備えています。

大型投資と資金調達: Samsung SDIは今まさに積極的な拡張期にあります。特に北米ではStellantisおよびGMとの相次ぐ合弁計画を発表しました。米インディアナ州ココモではStellantisとのJV工場(StarPlus Energy)が建設中で、2025年前後に33GWh規模で稼働を開始する予定です。また2024年8月にはGMとの間で合弁契約を締結し、同じインディアナ州ニューカーライルに年産36GWh規模の工場を2027年稼働で建設する計画です 。このGMとのJV投資額は約35億ドルに達し、Samsung SDIにとって北米攻勢の要となります 。さらにSamsung SDIは2023年末に株主割当増資を実施し、約2兆ウォン(14億ドル)もの資金調達を発表しました 。これは実に20年ぶりの大規模増資で、得られた資金は北米合弁への出資や韓国国内での次世代電池ライン整備に充当されます 。例えばハンガリーの既存工場(グッド市)では年産40GWhへの増強投資が予定されており 、韓国国内でも全固体電池のパイロットラインを拡張する見込みです 。

技術開発と製品戦略: Samsung SDIは高エネルギー密度セルの開発で知られています。現行の2170型円筒セルは体積エネルギー密度800Wh/Lと業界トップクラスで 、テスラ車やLucid車で高性能を支えています。今後はより大型の46系円筒セル(4680型相当)にも参入するとみられ、既にBMWの次世代EV向けに試作を進めているとの報道もあります。またSamsung SDIの角型セル「プリズマティック電池」はプレミアムEVに採用が多く、安全かつ高出力な特性で評価されています。次世代技術としては全固体電池の商用化ロードマップを描いており、2022年3月に韓国で初の全固体電池試作ラインを稼働させました 。2027年までに全固体電池の量産開始を目指しており、エネルギー密度向上と安全性でリードする構えです 。一方、コスト競争力確保のため安価なリン酸鉄リチウム(LFP)化にも踏み出しています。GMとのインディアナJVでは当初ニッケル系NCMセルのみ生産予定でしたが、市場動向を受け一部ラインをLFP電池用に切替える計画が明らかになりました 。LGESなど韓国勢も追随し、米国で初のLFP生産ラインを構築する見込みです 。このようにSamsung SDIは高性能路線を維持しつつ、ラインナップの幅を広げています。

欧州市場での地位: Samsung SDIはドイツBMWグループとの関係が深く、同社の電動SUVやプラグインハイブリッドに電池を長年供給しています。欧州ハンガリー工場はBMWやVW向けの供給拠点として稼働中で、今後も欧州需要に合わせ増産が予定されています 。またStellantisとは米国JVに加え、欧州でも将来的な協業の可能性が取り沙汰されています。Samsung SDIは韓国系の中では欧州ビジネス比率が高く、欧州規制対応にも積極的です。欧州の顧客要求に応じて電池のCO2削減やリサイクル推進にも取り組み、例えば製造時の再生エネルギー100%化などを進めています。2024年にはEU地域統括会社を設立し、域内顧客サポートを強化しました。これらの努力も奏功し、2025年上期にはパナソニックを抜いて一時世界シェア6位に浮上する場面もありました 。今後は北米・欧州での巨大案件が控えるため、Samsung SDIのシェア拡大余地は大きいと見られます。

業績と課題: Samsung SDIは安定した財務基盤と堅調な利益率を維持してきました。2023年には電池事業で営業黒字を計上し、他の韓国勢が投資負担で苦戦する中で収益性では一歩先行しています。しかし2024年は一部で電池受注の減少があり成長が鈍化しました 。今後は新工場の立ち上げ費用が先行し、一時的に利益率が圧迫される可能性があります。とはいえ親会社サムスン電子の支援も期待でき、研究開発費拡充や米国での人材採用など積極策を継続しています。Samsung SDIは「堅実な技術者集団」と評される社風で、地味ながら着実な歩みを続けています。高付加価値製品にフォーカスした戦略が奏功すれば、再び世界シェア上位に返り咲く可能性も十分あるでしょう。

パナソニックエナジー(Panasonic Energy)

パナソニックエナジー(日本)は、テスラとの提携で知られる日本の代表的バッテリーメーカーです。2020年代前半は韓国・中国勢に押され気味でしたが、2025年上半期には世界シェア3.7%で6位に浮上し、存在感を示しました 。これはテスラ社向け円筒電池の需要が底堅かったことや、北米での新工場立ち上げが寄与したためです。パナソニックは2010年代からテスラと合弁で米ネバダ州ギガファクトリーを運営し、世界で最も多くのEV用円筒セルを生産してきました。2025年時点でパナソニックが累計出荷した車載電池セルは190億本を超えると言われ 、業界でもトップクラスの経験値を持ちます。

北米での積極展開: パナソニックは近年、北米市場向けの大型投資を実行しています。2022年に発表した米国第二のEV電池工場(カンザス州デソト)は、2025年春に量産を開始しました 。この工場は32GWhの年産能力を持ち、総投資額40億ドル・従業員1000人規模の巨大拠点です 。生産するのは当初は2170サイズの円筒リチウムイオン電池で、エネルギー密度800Wh/Lという業界最高水準のセルを供給します 。テスラ社が主力車種(モデル3/Y)に採用する電池と互換性があり、同社最大顧客であるテスラへの追加供給や、その他北米EVメーカーへの販路拡大が期待されています 。2025年9月には現地で開所式が行われ、カンザス州知事も列席するなど州を挙げての歓迎ムードが伝えられました 。もっとも、北米EV市場は一部メーカーで在庫過剰が報じられるなど減速感も出ており、パナソニックはデソト工場のフル稼働時期を若干後ろ倒しする計画です 。それでも長期的な需要増を見込み、オクラホマ州での更なる工場用地確保も模索していると報じられています(正式決定は未発表)。

テスラとの関係: パナソニックのEV電池事業はテスラ向けが中心であり、同社の動向が業績に直結します。現在ネバダ工場(GF1)では2170セルを量産し、テスラのModel 3/Yに供給しています。テスラは自社で新型4680セルの内製を進めていますが、パナソニックもそれに歩調を合わせ4680電池の開発・量産準備を進めています。日本の和歌山工場に試作ラインを設け、2024年にもテスラ向けに初期バッチを納入する計画でしたが、歩留まり向上に時間を要し量産は2025年頃に持ち越されました(と報じられる)。パナソニックは4680でエネルギー密度とコストでの優位性を狙い、将来的にテスラ以外の顧客にも提供する意向を示唆しています。また2023年には「新型高容量電池」の開発構想を公表し、2020年代後半に現行比20%以上の容量向上を実現する予定です(航続距離に換算し+100~200km向上)としています。これは電極材の改良やシリコン系負極の高度化などで達成する見通しで、テスラをはじめ顧客各社に提案中です。

顧客多角化: パナソニックは長らくテスラ1社依存に近い状態でしたが、徐々に顧客基盤を拡げています。アメリカのEVトラック・バス新興企業プロテラには自社製円筒セルを供給してきました(ただしプロテラ社は2023年破産申請)。また商用EVスタートアップのHarbingerとは2023年に公式サプライヤー契約を締結し、2170セルを提供する予定です 。さらに2023年末には米Lucid Motorsとも交渉中と報じられました。ヨーロッパでもノースボルトなどとの協業余地を探っています。こうした動きは、テスラに加えて他メーカー向け売上比率を高める狙いがあります。もっとも北米の主要OEM(GMやFord)は韓国勢・中国勢と組んでいるため、パナソニックとしては商用車や新興EVメーカーなどニッチ市場に活路を見出す戦略と言えます。

日本回帰の動き: パナソニックは2021年に社内カンパニーとして「パナソニックエナジー社」を発足させ、将来的な上場含みで機動的な経営を行っています。本社を大阪から米国に移す案も検討されましたが、2023年には一転して拠点は日本に置く方針を明確化しました。これは経済安全保障や地元の要請も踏まえた判断です。国内では徳島県に新工場用地を取得し、将来の電池生産を視野に入れています。また全固体電池についてはトヨタ系列のプライムプラネット社(トヨタとパナソニックの合弁)で研究開発を進めており、2020年代後半の実用化を目指しています。

総じてパナソニックは、かつての首位メーカーから一時は世界シェア8位程度まで後退しましたが、再び巻き返しの兆しを見せています 。北米大型投資と技術革新で競争力を高め、テスラとのパートナーシップを軸に堅調なビジネスを継続しています。日本勢として唯一トップ10に踏みとどまる存在であり、電池市場における今後の動向にも引き続き注目が集まっています。

CALB(中航鋰電)

CALB(China Aviation Lithium Battery)は、中国国有系の新興バッテリーメーカーで、近年グローバルシェアを急速に伸ばしています。2024年には世界シェア4.4%で4位に躍進し 、2025年上半期も4.3%で4位を維持しました 。搭載量は2024年で39.4GWhに達し 、NIO・Xpeng・GAC Aion・Geelyなど中国の新興EVメーカーを主要顧客としています 。CALBは2007年に設立された比較的新しい企業ですが、2022年に香港市場で約12億6千万ドルを調達して株式上場し、それを原資に大規模投資を行っています 。同社は「2025年に生産能力500GWh、2030年には1000GWhを目指す」と表明しており 、これは世界トップ3入りを狙う野心的計画です。

国際展開: CALBは中国国外への進出も本格化させています。ヨーロッパではポルトガル南部シネスの工業地帯に欧州初のセル工場を建設する計画を進めています 。当初2026年稼働・15GWh規模を目指しましたが、最新の計画では2028年稼働開始に延期されました 。このプロジェクトは投資額20億ユーロにも及び、EUの共通利益事業(IPCEI)に認定されているため公的補助も受けられます 。工場は電極製造からセル組立、モジュール・パック化まで含む総合拠点となり、フル稼働時には欧州EV市場の4%超に相当する年産45GWhへ拡張する計画です 。この工場で1800人の直接雇用が生まれ、ポルトガルGDPの4%以上に相当する生産価値をもたらすとCALBは試算しています 。CALB経営陣は「欧州の自動車メーカーを積極的に支援する用意がある」と述べており 、地元雇用創出やカーボンニュートラル対応を前面に出して欧州市場開拓を狙っています。

技術イノベーション: CALBは製品技術でも独自性を打ち出しています。特に2023年に発表した「U字型バッテリー」構造は注目されました 。これは従来の円筒セルの内部構造を刷新し、タブなし(端子なし)構造を実現することで溶接工程を70%も削減できる画期的デザインです 。U構造によりセル内部の抵抗を低減し、シェル(外装)の導電性を高めることで、ニッケルコバルトマンガン(NCM)系でエネルギー密度300Wh/kg、LFP系でも200Wh/kgを達成できます 。また内部抵抗の低減により6Cの超高速充電にも耐え、10分でフル充電が可能になるといいます 。CALBはこのU型電池の大型円筒セル(46シリーズ)を2024年中に量産開始すると宣言しており 、生産効率と性能を両立した新基軸として業界の注目を集めました。

さらにCALBは2024年、中国政府主導の**全固体電池産業プラットフォーム(CASIP)**の一員に選ばれました 。2030年までに全固体電池のサプライチェーン確立を目指す国家プロジェクトであり、CALBもこれにより固体電池技術で先行する機会を得ています。2023年には自社の半固体電池が海外高級車メーカーの一部モデルに採用予定であることを示唆しており 、新技術実装にも積極的です。素材面でもハイマンガン系(LMFP)電池やコバルトフリー電池の開発に取り組み、コスト低減と資源リスク緩和を図っています。

市場ポジションと展望: CALBは中国市場でCATL・BYDに次ぐシェア3位(2023年)に位置し 、特に新興EVブランドの採用が相次ぎました。蔚来(NIO)、小鵬(Xpeng)、零跑(Leapmotor)など革新的メーカーがCALB電池を搭載しており 、実績を積むことでさらなる顧客開拓につなげています。またCALBは航空産業系(中国航空工業集団)を母体に持つ背景から、国策案件にも強く、中国国内での大規模受注(電力貯蔵プロジェクトなど)も獲得しています。SNEリサーチの2024年統計ではCALBは世界4位でしたが、**経営トップは「2027年までに世界3位に入る」**と公言しており 、CATL・BYD・LGESに肉薄する構えです。香港上場に続き科創板(上海)やナスダックなど他市場でのIPOも検討しているとされ 、さらなる資金調達で飛躍を図るでしょう。

ただし課題もあります。欧州工場計画の遅延に見られるように、海外展開には時間を要しており、売上の大半が中国内需に依存する状況は当面続きます。技術的にもCATLのような絶対的リーダーとの差はなお大きく、特許面などで課題を指摘する声もあります。その一方で、CALBの急成長は中国政府の産業政策の後押しも受けており、同社が名実ともに世界トップグループ入りする可能性は十分あります。今後は欧州・東南アジア・中東などでのプロジェクト実現により、グローバル知名度と信頼を高められるかが鍵となるでしょう。2025年以降、CALBの動向は「第三の中国巨頭」としてバッテリー業界でますます無視できない存在になっていくと考えられます。

4. まとめと展望

以上のように、2025年以降のEVバッテリー市場は引き続き高成長と競争激化の局面が続く見通しです。世界全体ではEV販売の拡大とともにバッテリー需要が年率20~30%の勢いで増加し、**容量ベースでは2030年に現在の3倍以上(3TWh超)**になるとの予測もあります 。一方で電池価格の下落や素材供給の変動により、市場規模(収益)の成長率は相対的に抑制される可能性があります 。このためメーカー各社は価格競争力の確保と収益性維持の両立に知恵を絞ることになるでしょう。

地域別に見ると、欧州市場が今後数年の焦点となります。欧州は政策的な電動化目標を掲げつつも、現状ではアジア勢の独壇場となっているバッテリー供給構造をどう変えていくかが課題です。EUの新電池規則や産業政策で環境・社会面の要求水準が上がる中、欧州発の電池メーカーが競争力を発揮できるか、あるいは中国・韓国勢が現地生産で存在感をさらに高めるのか、転換期を迎えています。米国市場もIRAの巨額補助により生産地図が塗り替わりつつあり、韓国勢や日本勢が相次いで北米新工場を稼働させるなど、大陸間での勢力図に変化が生じています。

主要バッテリーメーカー7社の動向を見ると、中国CATLとBYDの寡占体制が一段と強まる一方、それに対抗すべく韓国LGエナジーソリューションやSK Onが戦略転換と投資拡大で巻き返しを狙っています。Samsung SDIやパナソニックといった老舗も高付加価値路線で存在感を示しつつあり、新興の中国CALBも含めトップ集団入りを競っています。特にCATLはナトリウムイオン電池など新技術でも先行し、BYDは車両販売力を背景に電池シェアを急伸させています。韓国勢は北米での優位確保と製品多角化がテーマとなり、日本パナソニックはテスラ需要をテコに北米で復権を図っています。CALBに代表される中国新興組は欧州攻略と差別化技術でどこまで肉薄できるかが問われます。

技術トレンドとしては、電池の多様化と次世代化がキーワードです。リン酸鉄リチウム(LFP)電池はコストと安全性から再評価され、韓国・日本メーカーも生産に乗り出します 。一方で高ニッケル系はさらなるエネルギー密度向上が進み、製造各社は独自の急速充電技術や安全強化設計を競っています 。ナトリウムイオン電池やリチウム硫黄電池といった新しい化学も実用化段階に入りつつあり 、2025年以降は商用製品が登場してくるでしょう。さらに2030年頃には全固体電池が各社から投入される見込みで 、エネルギー密度・安全性・充電性能でEVの性能を飛躍させる可能性があります。ただ新技術への移行期には投資負担も重く、メーカー間の提携や再編も起こりうるかもしれません。

EVバッテリー市場は今後も需給拡大と競争構造の変化が続くことが予想されます。EV普及によるカーボンニュートラル推進という大義の下、各国政府も政策支援を強めており 、産業の重要性はますます高まっています。ユーザーにとっては電池価格低下や技術革新によって、EVの魅力(航続距離・充電時間・価格)が向上しつつあります。一方で原材料の安定調達やリサイクルなどサプライチェーン課題も山積しており、グローバルな協調も求められるでしょう。

結論として、2025年以降のEVバッテリー市場は「拡大するパイと熾烈な主導権争い」の様相を呈しています。各メーカーは巨額投資とイノベーションで鎬を削り、市場勢力図はダイナミックに再編されつつあります。世界のモビリティが電動化に向かう中、電池産業の動向は自動車産業全体、ひいてはエネルギー転換の成否を左右する要因となるでしょう。その意味で、本稿で整理した市場データや企業戦略は「現在進行形の歴史」とも言え、今後も最新情報をアップデートしながら注視していく必要があります。

以上の情勢を踏まえ、EVバッテリー市場は今まさに転換点にあり、2025年以降も成長と変革のドラマが続いていくことでしょう。

参考情報

🔢【市場動向・統計データ】


🏭【企業動向・戦略・発表】

CATL

BYD

LG Energy Solution

SK On

Samsung SDI

Panasonic Energy

CALB